なぜ、お酒の保管に低温冷蔵庫が必要?

30数年前の冬に、出来立ての「しぼりたて生酒」が限定で発売されました。
当時、しぼりたてのお酒はというと、地元限定のみの発売で数量も少なく、アルコール度数も高く、今と比べると需要の少ないお酒でした。更に生酒なので、冷蔵保管しなければならなく、当時のどこの酒屋も日本酒を冷蔵庫の中で保管することはありませんでした。


何故ならば、冷蔵庫のほとんどがビール、ジュースが占めていて、日本酒は冷やしておくものではないという認識が強かったからだと思います。
当時の「しぼりたて生酒」はほとんど冬に販売そして完売、冬の酒造りシーズンの風物詩のような商品です。
そんな中、冬に仕入れた「しぼりたて生酒」を冷蔵庫に保管し、夏に飲んだらどう変化するのか試したくなり、その年の8月ころ試飲したら非常に柔らかく美味しくなっていたため、これを販売できないか!?とダメもとで蔵元に相談しました。

新し屋店の低温冷蔵庫

 

 


返事は、やはり「生酒なので温度変化が一番良くないので難しい」ということでしたが、低温冷蔵で管理できるのならOK!と回答をもらい、そこで日本酒専門の冷蔵を設置することにしました。
設置してからは暫く一年以内に全て売り切ってましたが、更に試したくなり2年物、3年物と商品も増やし、今は色々なえ酒タイプも熟成させて今日に至ってます。冷蔵庫も店内を合わせると3台設置してます。

日本酒を長期熟成させると、必ず色もついてきますし香りも変化してきますが、今まで日本酒を長期にわたり低温保管をしたものを飲んだことのないユーザーの方がほとんどなので、是非味の変化を楽しんでもらえたら新しい驚きがあると思います。

一つ言えるのは、しっかり冷蔵保管をしていれば短期間で色は付くこともなく、香りも極端に変わることはありません。一般の日本酒は、瓶詰め(ラベルに製造年月参照)されてから、2~3か月位がちょうど瓶内でお酒も落ちつき美味しく飲まれると言われてます。しっかりと温度管理されているお店で購入出来れば、ラベルの製造年月で選ぶ楽しみも増えるのではないでしょうか?


※1999年~2021年の様々な新潟清酒を在庫。
当店では古酒の魅力をお伝えすることはもちろん、お客様に合う、美味しい日本酒探しを一緒にお手伝いしたいと思います。


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